著者のコラム一覧
佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

「反逆の人生」を生きた音楽プロデューサー小西良太郎に会いたかった

公開日: 更新日:

 『スポニチ』は『毎日新聞』社会部長だった牧内節男という人が社長になって、突然、リクルート疑惑の連載をやれと号令を発し、私にお鉢がまわってきて1989年春にけっこう長い連載をやったことがある。当時、小西がどういう役職だったかは知らないが、縁はあったのである。

 そしてまた、私が『東京スポーツ』に連載した古賀政男伝(旬報社刊「佐高信評伝選」第6巻所収予定)では、小西が「歌謡界の帝王」である古賀について、こう指摘しているのを引用している。

「郷里大川や母親せつさんの話になると、この人はよく泣いた。豪邸の主だが、1人では食事もできぬ寂しがり屋だった」

 小西の葬儀で川中美幸は「人を引きつける磁石のような魅力のある方」と言ったという。

 「坊や」から上がって苦労しただろうが、それを微塵も感じさせないような人だった。 私は船村徹に何度も会ったが、小西も船村に傾倒していたらしい。船村もまた、気くばりの人だった。

 船村は『歌は心でうたうもの』(日本経済新聞社)という自伝で、日本の音楽教育が西洋音楽至上主義でやってきたことを批判し、自分の作曲家人生はそれに対する反逆だったと言っている。小西も同じ思いだっただろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋