93歳「現役日本最高齢の大道芸人」ギリヤーク尼ヶ崎はなぜ路上に立ち続けるのか

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体操競技で北海道代表

 ギリヤーク尼ヶ崎さんの本名は、尼ヶ崎勝見。1930年、北海道函館市生まれ。芸名は自身の風貌がロシア・サハリンの先住民ギリヤーク族に似ていることから。46年の国体・器械体操で北海道代表になる。映画俳優を志し21歳で上京し、大道芸人としてデビューしたのは38歳(68年)のとき。自らの芸を極めるのは大道芸だと街頭公演を行い、称賛を受ける。その独特の踊りを洋画家・林武氏が「鬼の踊り」と命名。海外(フランス、アメリカ、韓国、ロシア、中国)でも公演。「伝説の大道芸人」と呼ばれるようになる。

 大道芸人になる前には、帝大(現・東大)卒で後に米国へ移住し活躍した創作舞踊家・舞踊学者の邦正美(1908~2007年)門下で全国合同公演にも参加した。

 体操選手が著名な舞踊家の下で鍛錬し本格的な舞踊家になり、大道芸人へ転身したのだ。

 約30年前、全盛期の様子を目撃した60代の男性は、「激しく動き回り、バケツで水をかぶり、泣き叫ぶような声や表情も迫力がありました。当時6歳ぐらいだった息子がその姿に魅了され、しばらく真似していました。あふれかえる観客も印象に残っています」と語る。

 80年代には、「豚鶏心中」(81年、松井良彦監督)、「さらば箱舟」(84年、寺山修司監督)、「タンポポ」(85年、伊丹十三監督)などの映画出演もはたした。

 95年の阪神・淡路大震災が転機に。被災地で踊る中、自らの踊りを悟り「鬼の踊り」から「祈りの踊り」へと変化。01年9月の米国同時多発テロ事件や11年の東日本大震災では追悼の「祈りの踊り」を演じ復興を願う公演を開催した。

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