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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

テレビをオワコン扱い…テレビ熊本「テレビは終わった」が問う「こんなテレビに誰がした」

公開日: 更新日:

 10月27日深夜、フジテレビ系で放送された第24回FNSソフト工場「テレビは終わった」(制作・テレビ熊本)を見た。

 1953年の放送開始から70年。昭和、平成と娯楽の王様だったテレビが令和の今はすっかりオワコン扱いだ。番組ではそんなテレビの現況を<若者のテレビ離れ><コンプライアンス>、2つの観点から検証。テレビに突きつけられた課題に向き合っていく自虐的かつ挑戦的な企画だ。

 放送は「オールナイトフジコ」終了後の午前2時55分からという深い深い時間。本来ならFNN系列の総元締であるフジテレビこそがこういう番組をやるべきなのに、フジは生放送で女子大生とお戯れ。問題意識ゼロ、いまだにバブル脳のまま。

 そこでこりゃダメだとしびれを切らしたテレビ熊本が義憤に駆られてこんな番組を作ったのではないかと察する。

 その志はあっぱれなのだが、ローカル局の悲しさで制作費がないのが丸わかりなのが惜しい。

 出演者を見ても伊集院光を筆頭に、みなみかわ、ニッチェの江上敬子、ゆうちゃみマシンガンズの滝沢&西堀。主義主張うんぬんよりも予算内で選びましたという感じ。タレントの服装もスタジオのセット地味そのもの。

 もっとも、制作費をかければいいというものでもないし、重要なのはその中身。バラエティーなのでやわらか仕上げではあるが、テレビを見ない若者にどうすれば見てもらえるのか考え、番組なりの答えを導き出そうとしているところは好感が持てる。

 テレビ離れの中でも若者のニュース離れが深刻になっているとし、その理由は「どのニュースも同じで見る気がしない」「真面目な人がしゃべっていて堅い。親しみを感じない」「スポンサーや関係者への忖度」「報道しない自由」等々、若者からの意見を集め、それをもとに実験的に若者にも見てもらえそうなニュース番組を作った。

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