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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

やす子の愛らしさの裏に潜む 今までバカにしてきた人を見返す反骨心

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「昔すごく貧乏だったので、今はお金を稼ぐことがモチベーション」だとやす子は言う(日本テレビ系「マツコ会議」23年3月18日)。自宅の机の周りにはBES、鎮座DOPENESS、Fla$hBackSのジャケットが並び、パソコンのデスクトップにはFEBB AS YOUNG MASONの写真。HIPHOP好きの一面がうかがえる。

 自作のラップを発表すれば大評判になるやす子が、HIPHOPにハマり始めたのは高校生の頃。「全部諦めてた。18歳くらいまで。もう人生、はい、終わり~みたいに」(同前)と思っていた彼女の心に突き刺さった。

「ラップは綺麗事じゃなくて、クソならクソだって言ってくれるところがいいなって思います。リアルだし、スキルに関係なくシンプルな音に淡々と乗せていて聴き心地がいいです」(blueprint「Real Sound」23年8月18日)と言う。

 マツコ・デラックスも、やす子が支持されるのは「明るいやす子ちゃん」というだけではないからだと評価する。「いい意味での狂気性というか、いま見ているやす子ちゃんがすべてではないんだっていうのをなんとなく本能で感じるからもう1回見たいって思うんだよね」(「マツコ会議」=前出)と。その言葉を受けて、やす子は自らの心情をこう吐露した。

「ここしか居場所がない。ここで今まで出会ってきてバカにしてきた人とか見返すぞ~って気持ちでやってます。あと、逆に自分のような立場の人をめっちゃ笑顔にさせるぞって」(同前)

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