性加害報道のサッカー伊東純也が、週刊新潮をスルーして女性だけを訴えたのはなぜか

公開日: 更新日:

 その上、女性たちに2億円超の莫大な損害賠償を求めて「逆提訴」してきたのだ。しかし、彼女たちの告発を報じた週刊新潮は訴えないという。理由は、新潮を訴えて勝ったとしても取れる金額がわずかだからというのだ。

 私にも経験があるが、こうした訴訟手法は女性たちを孤立させ、萎縮させて自分たちに有利に運ぼうというスラップ訴訟(言論抑圧訴訟)の一種で、品のいいやり方ではない。奥に引っ込んでろといわれた新潮は怒るべきだし、メディアとして彼女たちのいい分を報じた責任は自ら取るという立場をはっきりさせるべきである。

 万が一、彼女たちの告発の裏を十分に取らずに掲載したとすれば、2009年に起こした「赤報隊実名手記」大誤報の二の舞いになり、今度こそ休刊に追い込まれるかもしれない。

 この2つの性加害疑惑訴訟は、この国に「#MeToo運動」が広がるのかどうかの重要な岐路になると同時に、週刊誌メディアの正念場でもある。(文中敬称略)

(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動