著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

NHKBS「舟を編む~私、辞書つくります~」原作をより深めた脚本。後半も期待だ

公開日: 更新日:

 ドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」(NHK BS)の主人公は、出版社に勤務する岸辺みどり(池田エライザ)だ。

 ファッション雑誌の編集者だった彼女は、突然、辞書編集部への異動を命じられる。そこでは作業開始から13年という辞書「大渡海」の編纂が行われていた。当初は戸惑っていたが、変わり者の主任・馬締光也(野田洋次郎)に影響され、辞書作りにハマっていく。

 原作は2012年に本屋大賞を受賞した、三浦しをん「舟を編む」だ。この小説では、営業部から引き抜かれてきた馬締の歩みが軸となっていた。また13年に松田龍平主演で映画化された際も、ほぼ原作通りだった。

 一方、このドラマでは原作の後半に登場する、みどりをヒロインに据えた。彼女は馬締のような言葉の天才ではない。ごく普通の女性だ。いや、だからこそ見る側は、彼女を通じて言葉の面白さや奥深さ、辞書を編む作業やその意味を身近に感じることができる。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  3. 3

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  4. 4

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  5. 5

    山﨑賢人&広瀬すず破局の真偽…半同棲で仕事に支障が出始めた超人気俳優2人の「決断」とは

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 8

    福山雅治“ローション風呂”のパワーワード炸裂で主演映画とCMへの影響も…日本生命、ソフトBはどう動く?

  4. 9

    永野芽郁&橋本環奈“自爆”…次世代女優トップは誰だ?畑芽育、蒔田彩珠、當真あみが三つ巴

  5. 10

    ご都合主義!もどきの社会派や復讐劇はうんざり…本物のヒューマンドラマが見たい

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇