著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

14年続いた「メロウな夜」最終回は、奇しくも“ソウルの女王”アレサ・フランクリンの生誕祭だった

公開日: 更新日:

岸田首相の「コメントは控える」は実質的な差別容認では

 ずっと事前収録してきたメロ夜だが、最終回は番組プロデューサーからの提案に応える形で、最初で最後の生放送となった。メールやX(旧ツイッター)で届くリスナーからの声をリアルタイムでご紹介できるのも、当日の出来事を時差なく話せるのも、スリリングで愉しかった。

 アヤ・シマヅ(島津亜矢)のアレサ・フランクリン楽曲カバーのレコーディング報告。アイヌや在日コリアンへの差別的言動が問題化している自民党杉田水脈衆院議員への対応を、その日の参院予算委員会で問われた岸田首相の「コメントは控える」についての私見。それは実質的な差別容認ではないか、ガザでジェノサイドと呼びうる事態が進行する最中にあって、首相として国会議員としてあるいは一国民として、この発言はいかがなものかと。奇しくもその日は、政治意識と社会活動を音楽に昇華させたソウルの女王アレサ・フランクリンの生誕祭。自由を謳った「シンク(Think)」をアヤ・シマヅの歌声でかけた。ラジオでしか生まれない化学反応がそこにはあった。

 この最終回はNHKラジオの無料公式アプリ〈らじる★らじる〉で4月1日まで何度でも聴くことができる。メロ夜14年間のフィナーレをご自分の耳でしっかり聴きとどけていただきたい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった