著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

【追悼】曙太郎(上)希代の名横綱なのに敵は土俵の外にいた…師匠・東関親方との対立も深刻

公開日: 更新日:

 加えて、師匠である元高見山の東関親方との対立も深刻だった。差別に耐え、実力で番付を駆け上り、率先して日本人社会に溶け込み、笹川良一をはじめとする斯界の実力者の支援まで得ながら社会的地位を築いた親方にとって、愛弟子の姿勢はどこか甘く映っていたのだろう。そのことを責めるつもりは毛頭ないが本来は弟子を守るべき師匠の所作にしては、ハワイ出身の青年横綱に厳しすぎたかもしれない。

 そんな、典型的な日本閉鎖社会の象徴とも言える角界において、頼みとなるのは自らの実力以外なかった。幕内優勝回数11回はその勲章であり、生涯のライバルである貴乃花が、双方認め合う戦友として意識付けられたのは、さほど不自然なことではなかった。五輪開会式の代打出馬は必然だった。

 00年九州場所で最後の幕内優勝をはたした曙だが、01年初場所は全休。その直後、両膝の回復が見込めないこ

とを理由に現役引退を表明する。引退後は曙親方として、東関部屋で後進の指導にあたっていた。誰もがあの圧倒的存在を忘れかかっていた。

 しかし、現役引退から2年後、驚天動地の事件が起こる。

 相撲協会に退職届を出して、K-1に参戦したのである。 =つづく

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網