「嘘解きレトリック」は今や《時代劇》 脚本家には書きやすい「昭和初期ドラマ」ブーム到来の可能性

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 実際、視聴者からは《何となく癒やされる》《ほのぼのした気持ちになる》などなど、好意的な声が多い。中には《月9で時代劇って新鮮》なんて声も。ある脚本家は「私も同じようなコメントを目にして、昭和初期はもう時代劇なのか! と軽くショックを受けました」と苦笑しながら、こう続ける。

「15年ぐらい前に同業者と《大正時代はそろそろ時代劇の範疇に入れていいのでは》という話をした記憶があるのですが……もはや若い世代にとっては昭和初期もなのか、と。時代劇は、苦手意識があってハナから見ない人も多い。けれども、昭和初期なら《ちょっと懐かしい感じ》ぐらいで、新鮮に受け止められるんだと今回改めて分かりました。実は昭和初期は脚本を書くほうにとってはやりやすい点が多い。携帯電話はおろか、電話も一般家庭に普及していませんから、すれ違いが書きやすいんです。ハラスメントも現代劇ほど気にしなくていいですし」

 見る方には新鮮、脚本家は書きやすいとなれば、大正時代や昭和初期を描くドラマが今後増えていく可能性もあるか。

「個人的にはNHK大河の『光る君へ』の放送で、大和和紀先生の漫画『あさきゆめみし』が話題になったこのタイミングで、大和先生の不朽の名作『はいからさんが通る』の連ドラ化はどうかと。『はいからさん』といえば、1987年公開の映画版で主人公の花村紅緒を演じた南野陽子さんが印象的ですが、あのドラマチックな物語は今でも十分、幅広い世代の心を掴みそうです。南野さん以上に紅緒が似合う俳優さんがいれば、の話ですけれど」(前出の山下真夏氏)

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