“大きさと暗さ”を纏う染五郎、圧倒的存在感を放つ白鸚、粗雑さ目立つ團十郎の忠臣蔵

公開日: 更新日:

 新春浅草歌舞伎のメンバーが一新された。中村橋之助と中村莟玉だけが残り、新たに市川染五郎、中村鷹之資、尾上左近、中村玉太郎、中村鶴松が加わり、卒業組は歌舞伎座と新橋演舞場へ。

 浅草の新メンバーで注目の的が染五郎で、『絵本太功記/尼ヶ崎閑居の場』の武智光秀を橋之助とダブルキャストで演じた。祖父からかなり鍛えられたようで、若さを感じさせない大きさと暗さがある。白鸚が元気なうちに『勧進帳』の弁慶を演じてほしい。一方、『棒しばり』では若さが爆発し、鷹之資とともに、スポーツのように軽やかに、かつコミカルに舞う。

 歌舞伎座は前年までの浅草組が大活躍。昼の部最初の『寿曽我対面』では坂東巳之助が五郎、中村米吉が十郎、坂東新悟が大磯の虎という古典の大役。様式的な芝居だが、人間らしく演じるのでドラマとしてストレートに響いてくる。

 中村隼人は夜の部最後にテレビでも演じている『大富豪同心』で一人二役。巳之助、米吉、新悟はこちらにも出ている。さあこれから面白くなりそうだ、というところで「続く」となったのには驚いた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲