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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

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 一方で、田中が書くネタには、絶大な信頼を寄せ、言われたとおりに演じる。以前「相方から言われた一番うれしかった言葉」を聞かれ、「山根はなんでも言うこと聞くからやりやすい」という言葉をあげていた(テレビ東京系「ゴッドタン」2023年9月23日)。一見すればバカにしているとも取れる発言。だが、山根は「居心地いいからしょうがない」と受け止める。しかも、そうすることで結果的に「山根がやりやすいように田中も動いてくれている」ようになったのだという。

 そんな山根に田中は「素の山根でいけるために(テレビで)1回ウソをつけって言ってんのよ。じゃないと、本来の自分が出せないまま終わっていっちゃうから」(テレビ東京系「あちこちオードリー」23年12月6日)と諭すが、山根はこう反論していた。

「本来の自分を出してるから、テレビに出てないのよ。本来の自分を出してないやつがテレビに出てんだから」(同前)

 山根は、本来の自分が出せないのであれば、無理にテレビに出たいと思っていないのだ。


 田中が「情熱大陸」(TBS系)に密着されていた際も、コンビではなく、田中1人であることをライブの共演者にツッコまれても泰然とし「オファーもかかってないけど、出たくないのよ、俺」と笑っていた(TBS系「情熱大陸」25年2月2日)。

 山根は常に居心地の良さを求めている。こういう男がひとたび受け入れられると、無敵だ。

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