白山「ジャズ喫茶映画館」にはシニアや外国人観光客が足を運ぶ

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 昭和の商店街には必ずといっていいほど本屋とレコード屋があった。

 レコード屋にはアタシの大好きな映画音楽コーナーがあり、スペクタクルや西部劇など大概のジャンルが揃っていた。中学生の頃、買ってきたレコードを当時流行の4チャンネルステレオで近所迷惑承知で大音響で聴いていた。

 高1のとき「タクシードライバー」を見た。1976年のこと。この時の音楽がヒチコック映画でお馴染みのバーナード・ハーマン。彼の曲をトム・スコットのサックスが奏でる。アタシはこれにしびれてジャズにはまっていく。と同時にMGMミュージカルの「ザッツ・エンターテインメント」でアービング・バーリンやジェローム・カーン、コール・ポーターに魅せられ、そして気が付くとフランス映画のモダンジャズに入れあげていた。これがアタシの映画音楽とジャズとの出会い。

 ところで、アタシの楽しみは一杯やりながら映画館で見た昔の映画についての本をひもとき、サントラCDを聴くこと。だが、中2の娘に言わせると、それはオワコンなんだって。コンテンツ(嫌な言葉だね)そのものは生きているけど、手段としては終わっていると。スマホひとつで全部オッケーなんだと。いやはや。が、そんな時代に背を向ける店がある。それが今回ご紹介する白山の「ジャズ喫茶映画館」だ。

 そこには古い映画とジャズに関する本がギッシリ、昔のポスターと大量のレコードで傾きそうな店。名画、古書、ジャズ。街の三大絶滅危惧種が揃っている。もちろん酒もね。アタシにとっては夢の空間だ。サイコ~! 1978年にオーナーの吉田さんが創業、5年後、白山上に移転。現在はご高齢の吉田さんに代わり、常連だった荒川さん中心に9人の侍が店の運営を託され、今年2025年4月から第2期として再スタートを切った。荒川さんに話を聞いた。

「昔は上映会もやっていたんですよ。今は喫茶店として来る若い人、ジャズと映画の本を楽しみに来る年配の方、そして外国人観光客が中心ですね」

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