著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(2)全額自己負担で処方薬の2.5倍~3倍の負担となる場合も

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 現時点では、同じ薬が「処方薬」「スイッチOTC薬」として、併存しています。処方薬は健康保険が利くため3割負担、スイッチOTC薬は市販薬なので、全額自腹。価格は処方薬より高めです。単純に考えれば、処方薬のほうが得です。しかし実際はどうなのでしょうか。

 代表的なアレルギー(花粉症)鼻炎薬である「アレグラ」で検証してみましょう。主成分はフェキソフェナジン塩酸塩。眠くなりにくいのが特徴の人気薬です。2012年にスイッチ化され、ドラッグストアなどでも手に入ります。処方薬としても使われています。

 まずクリニックです。アレルギー検査の有無で費用が違いますが、仮に診察と薬の処方だけで終わったとしましょう。クリニックでの患者負担は初診料や処方料、患者によっては医学管理料などが上乗せされ、合計1100~1300円ほどになります。

 処方箋をもらって調剤薬局に行きます。ジェネリック(主成分60ミリグラム)を8週間分(56日分、112錠)処方してもらったとすると、薬代は約1160円(3割負担なら約350円)です。ただし調剤料その他が上乗せされるので、3割負担の支払いは1000円程度になります。つまり、クリニック+調剤薬局での合計は2100~2300円です。

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