著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「占領下の日本社会」(13)二度と軍事の横暴に振り回されない、それが戦後政党の原点である

公開日: 更新日:
2018年7月に“反骨の政治家”斎藤隆夫の記念館を訪れていた石破茂前首相(C)共同通信社

 議会人は戦時下では、全くの無力であった。軍事が統治権(立法、行政、司法)を支配しただけでなく、この国の文化、伝統、生活環境、さらには国民意識に至るまで、すべてが戦争賛歌のために動員され、そして解体同然の危機にまで及んだのである。

 ではなぜ、政治家がほとんど有効な抵抗ができなかったのか。これは、私たちにとって極めて深刻な問題を提起しているように思う。

 軍事一本槍に国の全てが抑圧されたありさまについて、政治家の自省の弁はどのようなものだったのか。その点についても一応触れておかなければならない。昭和15(1940)年、日中戦争下において、軍部を真っ向から批判した斎藤隆夫の「自省の弁」は、今なお大きな意味を持っている… 

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