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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

慶応幼稚舎の関係者の間でくすぶる 福澤諭吉の玄孫・TBS福澤克雄氏の「コネ発言」報道

公開日: 更新日:

「有力者が口を利いたから合格できるなんて決してありません」と話すのは11月1~10日、入試が行われた慶応幼稚舎の関係者。

 今年春、一部週刊誌でTBSの演出家・福澤克雄氏が大物俳優の子どもを名門校に「自分が入れた」と発言したとの報道が出た。名門校とは幼稚舎のことだ。

VIVANT」をはじめ次々にヒット作を飛ばす福澤氏は慶応の創設者・福澤諭吉の玄孫。自身も幼稚舎から大学までずっと慶応ですごした。この発言は福澤諭吉の誕生日を祝うイベントでのものだった。

「克雄さん本人は場を盛り上げるリップサービスのつもりだったのだろうが、ああした誤解を招く言い方は非常に困る」と幼稚舎関係者。報道から半年以上も経ちながら、このコネ発言はいまだに尾を引いているという。

露骨な裏口はなかったが…

「やはり幼稚舎は縁故がないと入れないのかと、またウワサが広がりだした。慶応が一丸になって幼稚舎のコネ問題の払拭に取り組んできたのに、せっかくの努力も水の泡です」と関係者は嘆くが、かつてさまざまな忖度があったのは事実と話すのは慶応大の教授だった長老の一人だ。

「露骨な裏口はなかったが慶応の中枢に近い人物による『よろしく頼む』的なものはけっこうあったと聞いている。そのせいか、相当デキの悪い生徒も少なくなかった」

 この元教授も幼稚舎OB。勉強する子としない子に二分されていたと振り返る。慶応義塾高校(塾高)に上がる頃には学力にもかなり差が出てきて幼稚舎からの生徒で留年するケースが目立ったという。福澤克雄氏も塾高1年の時、落第している。

「ただ、山越君の場合は成績が悪かったのではなく、ラグビー部の練習で出席日数が足りなくなった」(同級生)のが原因だ。山越は福澤氏の旧姓。両親が離婚し、福澤諭吉のひ孫に当たる母親の姓を名乗るようになった。

「克雄氏が幼稚舎の入試に臨む際、受験生の中に福澤諭吉先生直系の親族がいるらしいという話は慶応関係者の間ですぐに広まった」と元教授。慶応における最強の血筋だけに忖度が働いたとしても不思議ではないが、すでに半世紀以上も前のことだ。

「そうしたコネが今も横行していると克雄さんが信じているとしたら、それは大いなる勘違い。少なくともこの20年間、誰の子どもかわからないようにして、入試を行っている」と前出の幼稚舎関係者は断言する。

「ましてや、口利きを頼んだとしても結果を覆す余地はない。複数のテスターによって厳正に審査が行われている」

 とはいえ、幼児教室の経営者は「コネがなくなったとは言い切れない部分もある」と話す。親や兄弟に幼稚舎OB・OG、在校生がいると、格段に合格率が上がるのは事実だという。ただ、「以前に比べ、裾野は随分広がった」との実感を持っている。2024年度の入試日程はすべて終わり、早くも25年度に向けた戦いが始まっている。



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