ゴールデンコンビ「橋本淳×筒美京平」のメロディーに乗って躍動し始める
ちなみに「バイ・バイ──」の訳詞は安井かずみで、翌76年秋のシングル「寒い夜明け」の作詞は何と楳図かずお。
先のシングル4曲の中で、1つ選べと言われれば、やはり「誘われてフラメンコ」だろう。
「♪誘われてフーラフーラ 乱されてユーラユーラ」が繰り返される何ともシュールな歌詞は「ザ・橋本淳ワールド」。
郷ひろみとの噛み合わせがいいと思われたのだろう。楳図かずお登場前、翌年のシングル3曲はすべてゴールデンコンビによるものである。
中でも、76年発売の「恋の弱味」は傑作中の傑作。私がいちばん好きな筒美京平作品。好き過ぎて、私が選曲した、2021年発売のコンピレーションCD「筒美京平 マイ・コレクション スージー鈴木」には、郷ひろみのオリジナルと近田春夫&ハルヲフォンのカバーの2曲を選曲したほどのベスト・オブ・ベストだ。
橋本淳の言葉と、筒美京平のメロディーに乗って、75年、ジャニーズ事務所を退所した郷ひろみが、弱みなど見せず、本格的に躍動し始める。