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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

ご都合主義!もどきの社会派や復讐劇はうんざり…本物のヒューマンドラマが見たい

公開日: 更新日:

「北の国から」や「浅草ラスボスおばあちゃん」を見よ

 人間をどう描くか。奇跡や事件よりもそこに暮らす人々のリアルな息遣いが見たい。とはいっても、テレビがオワコン呼ばわりされている時代に、あの壮大なスケールのドラマを作るのは予算的に不可能。でも、だからといってヒューマンもどきを量産するより、まったく違うアプローチで私たちを驚かせて欲しい。

 11、18日の2週にわたって放送されたテレビ東京系の「架空名作劇場」はその好例。存在しない名作ドラマを勝手に作って届けるもので、その第1弾は「人情刑事 呉村安太郎」。タイトルからもわかるように、藤田まこと主演、懐かしの「はぐれ刑事純情派」のようなオープニングのタイトルバックや劇伴、1993年を舞台に当時のドラマのような加工が施された映像はノスタルジックだ。主人公をアルコ&ピースの平子、小料理屋のおかみが友近で、全力で悪ふざけしているところがいい。

 異端なのは梅沢富美男主演「浅草ラスボスおばあちゃん」(東海テレビ、フジテレビ系)だ。梅沢が松子というおばあさんに扮している時点でもう面白い。青島幸男主演「いじわるばあさん」を思い出した。75歳で職を失い、自分で便利屋「ラスボスおばあちゃん」を起業。高齢者の孤独死などの社会問題なども描きつつ、おせっかい松子が奮闘する。松子の友人役は浅丘ルリ子と研ナオコ。日活の大スターとコメディエンヌの共演も感慨深い。舞台は浅草。街ロケが多いのも楽しい。吉本新喜劇のような昔からの人情ドラマだが、こういう、笑いあり涙ありのドラマが一番。寅さんが永遠なように。

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