最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~石橋蓮司の“なりきりアンパンマン”が見れるとは! 登美子(松嶋菜々子)は毒親返上か
第25週「愛と勇気だけが友達さ」#126
【朝ドラのツボ!】
のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真を見て驚く。そんな中、のぶ、登美子、羽多子(江口のりこ)が旅行することに。
出発前夜、初めて柳井家に泊まる登美子と布団を並べて横になった嵩は…。旅行から戻り、カメラを手に写真屋を訪れたのぶは、店主に声をかけられる。
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【本日のツボ】
石橋蓮司のなりきりアンパンマン
※※以下、ネタバレあります※※
だんだん嵩が不憫になってきました。あまりにもポンコツに描かれているので。あの狭い客席、しかも8割以上がチビッコというなかで、登美子が入れば、わかるっていうものでしょう。マノ・ゴロー(伊礼彼方)と並んで客席を見ていたのはなんだったのでしょう。嵩、ぼんやりにもほどがあります。
そりゃ、担当編集者にもナメられるわ、と思いました。それにしても、あんなに失礼な担当編集者がいますかね。このドラマ、以前の女性編集者もそうでしたが、出てくる担当編集者が全員失礼で、脚本の中園ミホさんが、よっぽど編集者に恨みをお持ちなのでは、と思ってしまいます。
そんな失礼な編集者に、食ってかかる登美子は、母の心を取り戻し、毒親返上というところでしょうか。
そして、高知旅行です。旅行の支度をしている時に、どうせ行かないんだろうなとは思いましたが、それでも、千代子(戸田菜穂)とウイスケ(ウイスキー)で乾杯したり、コン太(櫻井健人)のたまご食堂を訪れたり、これぞ最終週というような、高知への感謝を伝えるようなことがあってもいいのでは、思っていたのですが…。
薄々気づいていましたが、御免代町のセットはもうとっくにバラしてしまったのではないか、と。だから、行きたくても行けないに違いありません。
その勇気、ぜひ嵩にもわけて
それにしても、のぶの前の夫・次郎(中島歩)の形見のカメラ、ここにきて、思い出したかのように重要アイテムとなっています。かれこれ30年以上は放置されていたように思うのですが、ちゃんとお手入れはしていたんですよね?
高知旅行から帰ってきたのぶ、フィルムを現像してもらうために写真店を訪れます。わざわざ首からカメラをぶら下げてくる必要があるのでしょうか?
それでも、写真店の店主・堀井満を演じた石橋蓮司がお見事だったので、本日の満足度は高いです。
「うちの3つになる孫が『あんぱんまん』が大好きでね。毎晩、読んでくれって言われるもんですから」とのぶに言い、を読んでくれとねだられ、すっかり覚えてしまった、と。
「ぼくは、あんぱんまんだ~。いつも、おなかのすいたひとを助けるのだ。ぼくの顔はとびきりおいしい。さあ早く~」
手振り身振りを交えて、のぶに聞かせるその姿が見られただけでも良しとしましょう。
「そのカメラと一緒で愛情込めて残されたものは廃れません。繰り返し読まれることでどんどん良さが増すはずだ。先生にもっと書いてくださいとお伝えください」
店主の応援でのぶは「勇気100倍」だそうですが、その勇気、ぜひ、嵩にもわけてあげて欲しいものです。
(桧山珠美/TVコラムニスト)