「妻は図々しいんですよ」連れ子の教育費を断固拒否。娘より母を優先する50代夫の不満
あと5万円払えって?
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「いや〜、俺は取り決め通りの生活費を毎月ちゃんと渡していますし、あとのお金を俺がどう使おうが自由なはずなんですよ。
それなのに妻がいきなり“物価高対策”なんて言い出して、毎月あと5万円を生活費に出せなんて言ってきたから、戸惑っていますね」
ヤスナリさんは資産形成にも関心が高く、現在は生活費や母親への仕送りに回したお金以外のほとんどを投資で運用しています。
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資産形成は夫婦単位より個々で
「俺は、そんなに投資がうまいわけではないんですけどね、銀行にただ預けておくよりもいいかなと思ってコツコツ続けています。
実はね、妻はバツイチで俺は初婚なんですよ。だからウチの娘は俺との血は繋がっていなくて、妻の連れ子。特別養子縁組もしていないので、完全に妻の子どもって感じですね。
だからね、俺らだっていつ離婚をするかわからないから、資産形成は夫婦単位じゃなくて個々でやっておくほうがいいなって思っているんです」
しかし、妻からの「毎月あと5万円を生活費として負担してほしい」という提案はどうしても腑に落ちないとヤスナリさんは続けます。
妻が娘のために頑張れば?
「妻が生活費を増やしたい一番の理由は、娘の教育費なんですよね。塾代とか習い事の月謝とかが値上がりしてきているから、もうちょっと余裕のある予算を組みたいらしいです。
だけどねぇ…、俺から言わせればそこは妻が娘のために頑張ればいいんじゃないの? ってトコなんです。
俺は、妻と結婚を考えたときに妻の娘のことも最低限は面倒を見る覚悟で結婚しましたけどね、だからといって自分の子どもとはやっぱり思えないし。
塾はまだいいとしても、習い事なんかは妻が自分で払えばいいんじゃないですか。だって妻もフルタイムで働いていますからね、お金がないわけじゃないんです」
妻の娘より実の母
ヤスナリさんの本心としては「妻の娘よりも実の母親のほうが心配」とのこと。しかしそれを妻に話したところでヒステリックにわめかれるだけで、話にならないのだとか…。
「俺がなぜ払わないかを説明しても、妻からは『冷たい!』とか『クズ夫!』とか罵られて終わりなんです、いつも。
でもねぇ…、娘の習い事のお金を俺が出すのは“当たり前”ではないですよね?
もっと以前から感謝してくれていれば出してもいいのかなって思えたかもしれないけれど、俺にはなんの関係もない子なのに、妻はちょっと図々しい。俺が払うのが当然みたいな顔をしすぎなんですよ。
食費とか塾代とかは、まぁ仕方ないかなって思っていますけどね。それ以上のところは妻がなんとかしてほしいし、そうすべきだと俺は思います。
だから妻からの提案されている“5万円増”については、断固として拒否し続けるつもりです。
もしそれで離婚レベルまで夫婦関係が悪化したなら、それまでの仲ってことですよ。無理をしてまで結婚生活を続ける気もないし、いざそうなったら離婚ですね」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)