諸行無常、盛者必衰…経済界も政界もトップ辞任で、まるで「平家物語」の様相
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」と平家物語。
9月1日、サントリーホールディングスの新浪剛史会長が辞任した。サプリメント購入をめぐって警察から捜査を受けたためで、会長という要職に堪えないと判断された。さらに経済同友会の代表幹事としての記者会見では、自身の進退について「同友会に判断を委ねる」と述べた。
政界では、石破茂総理大臣が辞任する。理由は異なるものの、経済界と政界でトップの辞任、それを好感したかのように日経平均株価が上昇したから理解に苦しむ。
かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれ、日本的経営の2本柱である企業への忠誠心を支えた「終身雇用」と「年功序列」が薄れ、日本は低成長となった。かつて名目GDPランキング(IMF)で米国に次ぐ世界2位だったが、その後、中国に抜かれ、2024年に人口が日本(1億2389万人)より少ないドイツ(8471万人)にも抜かれ4位、そして、今年はインドにも抜かれ5位とみられている。