著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

単位制高校を中退、27歳で科学技術学園高校に入り直した井ノ原快彦の信念

公開日: 更新日:

 芸能活動だけではない。高校以降の学歴もまさにカメ人生そのものだった。入学した東海大付属望星高校は単位制で、授業は月火木金の4日。時間割も生徒自身で決めるユニークなシステムを採用していた。ドラマにはいろいろ出演していたが、通学する時間は十分、確保できた。だが、生来の勉強嫌い。3年間で必要な単位を取ることができず、高校生活は4年目に突入した。状況を変えようと、同校の通信制に移り卒業を目指したが、結局、中退した。

 高校をやめるかどうか迷っていた時、父と相談した。このままではすべてが中途半端になると心配した父は「今は仕事一本に絞れ」とアドバイスした。ただ、条件をひとつだけ付けた。「高校は卒業しろ。30歳ぐらいまでにはな」と──。

 父から与えられたミッションが井ノ原の頭の中にずっと残っていた。仕事は忙しくなる一方だったが、27歳の時、一念発起。科学技術学園高校の通信制に入学し直した。高卒の肩書がほしかったわけではない。父との約束を守るのもさることながら、急に勉強がしたくなったのだという。事務所のサイトでエッセーなども手がけ、さまざまな方向にアンテナを張り巡らすようになると、知識欲がぐっと、もたげてきたのだ。望星高校で取得した単位がそのまま生かされたので、1年で卒業することになったが、この時の経験は井ノ原を人間として大きく飛躍させたのだった。

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