新橋「酒蔵ダイヤ菊」で辛口ダイヤ菊を冷やでやりながら蓼科の小津安二郎に思いを馳せる
雑居ビルと一言でいってもいろいろである。
神田あたりには地方企業の東京営業所などが多く入っていたり、銀座にはクラブやバーばかりのビルも多い。アタシは昔ながらの飲食店やスナックが入っている昭和の雑居ビルが好きだ。今やそういったビルは次々と取り壊され、シャレたオフィスビルに建て替えられている。それをきっかけに古くから営んでいた店が廃業し、代わりにどこにでもある大型店が大手を振っている。還暦男としては寂しい限りである。
そんな昨今、昭和46年開業のニュー新橋ビルはまだまだ現役で多くの雑居ビルマニアを楽しませてくれている。そしてこのビルの開業と同時にオープンしたのが、今回ご紹介する「酒蔵ダイヤ菊」だ。
実はこの店のアタシの予備知識は、ニュー新橋ビルの人気老舗酒場というものだった。が、それだけではない重要なテーマを忘れている気がしていた。地下に下り、店に入ってようやくそのわだかまりは氷解した。それは、店の奥に掲げてある小津安二郎の蓼科での写真を見たからである。そう。ここの店名にもなっているダイヤ菊は信州の銘酒であり、小津が愛した酒だったのだ。

















