今なら大炎上必至のコラム「TV見たまま思ったまま」を15年間
テレビさらには劣化し、見るに堪えない愚劣な番組が増えた
25年前にはスマホがなかったので、どんなに過激な評を書いてもSNSで反論されることはなかった。今なら、炎上していたはずだ。そのコラムは15年続いた。私は演芸評論家でもあるので、その後は芸人に関する短期集中連載をやらせてもらった。大好きな芸人のことを書くのは楽しい仕事で、それが2016年3月から始まる芸人インタビュー「大いに語る」の連載につながった。1回目が立川志の輔で、春風亭昇太、桂米助、立川志らく、柳亭市馬、春風亭小朝と、続けて大物をインタビューした。
連載が終了する25年3月までの9年間に登場した芸人は五十余人。その中で、桂米丸、鏡味仙三郎、桂才賀、林家正楽、林家二楽の5人の師匠方が亡くなられた。今になってみると、元気なうちに話を聞いておいてよかったとつくづく思う。
現在の芸能面で物足りないのは、全体的に辛口批評が少ないことだ。私がテレビ評を連載していた頃よりさらにテレビは劣化し、見るに堪えない愚劣な番組が増えた。特にバラエティーとドラマは目を覆いたくなる。それはタレントと俳優だけでなく、スタッフの劣化でもあり、劣化の原因を追究する辛口批評を求めたい。


















