巨泉さん追悼 吉川潮氏「米人気番組を日本風にアレンジ」

公開日: 更新日:

 若い頃、テレビの構成作家としていくつかの番組に関わった私の目から見ると、巨泉さんはテレビ先進国だったアメリカの手法を日本に上手に取り入れることができた人といえると思います。

 実は「11PM」には米国の人気番組「ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジョニー・カーソン」という原形があった。番組のコンセプトは男のワイドショー。ただし、巨泉さんの凄いところはジョニー・カーソンが扱わなかった麻雀や釣りなどを加えて見事に日本風にアレンジしたところです。

 クイズダービーも全く同じ。そっくりな番組が米国にありました。しかし、ここからが巨泉さんの本領発揮で、「三択の女王」や「宇宙人」など回答者それぞれをキャラクターづけして、独自の番組にしてしまいました。

 当時からお笑いに興味を持ってた私にとって最も衝撃だったのは「ゲバゲバ90分!」を見た時です。それまでのお笑い番組といえば落語家か漫才師が出るのが当たり前でしたが、「ゲバゲバ――」に登場するのは宍戸錠や小川知子といった一流俳優ばかり。この人たちが次から次へとコントを演じるスピード感は実に斬新でした。

 一方で、素顔はインテリなのに「ハッパフミフミ」などと訳の分からないことを言って笑わせてみたり、実に粋な人でした。ご冥福をお祈りします。(談)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋