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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(69)何者かになろうとするなら、自分との喧嘩、時代との喧嘩は必須です

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加納「そうですね。かといって人生そんなうまくいくわけじゃないから、いろんな関わりの中で生きているわけだからね。でもなるべく一つ一つ事に当たる時の姿勢というんですか、事に当たる時、当たった時のまず第一に自分との喧嘩というか、自分との闘いというか、自己確立というか、それがまず必要だと思う。それなしに話をしちゃったり、対処しちゃうと、人用の自分、世間用の自分、時代用の自分で消化されて、溶けて消えてしまう」

増田「なるほど」

加納「どんな若者でも『俺自身が生きてる意味、生まれた意味はどこにあるんだ』と思っている。結局のところ自己確立ということに立ち返ってくる。つまり若いときはまだいいけども、振り返る年齢になったとき、生きるという戦いの中で何をしてきたか、どう戦ったのかということになるんだ」

増田「時代の流れのなかで」

加納「そう。急流に流されてそれでOKしちゃう部分があるかもしれないけど、そういう潮に流されるというか、時代に流されるというか、それに抵抗してほしい。時代に流されてるだけではその人間の名前とか持って生まれたものとか、その辺のこと、意味がなくなってしまうから」

増田「時代に抗い、時代に挑戦しろと」

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