著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

「再会 ~Silent Truth~」“過去の秘密”と“現在の関係”という二重構造が物語に緊張感を与えている

公開日: 更新日:

 序盤戦で抜群の牽引力を示している。「再会~Silent Truth~」(テレビ朝日系)だ。

 神奈川県のある町で起きた射殺事件。担当刑事の飛奈淳一(竹内涼真)は驚いた。使用された拳銃が、23年前の小学6年生の時に仲間と一緒に地中に埋めたものだったからだ。

 しかも殺害されたのは仲間の一人である佐久間直人(渡辺大知)の兄だ。容疑者として浮上した岩本万季子(井上真央)も、彼女の元夫・清原圭介(瀬戸康史)も秘密を共有するメンバーだった。4人しか知らないはずの拳銃の隠し場所。一体誰が掘り起こしたのか。

 見どころは4人の俳優による演技合戦だ。仲間への信頼と職務の間で揺れる竹内。どこか内面が読み切れない瀬戸。不器用な生き方と弱さが気になる渡辺。そして母としての意志と不穏さが同居する井上は、まさに「影のあるヒロイン」だ。

 彼らは「共有の秘密」だけでなく、「それぞれの秘密」も抱えながら生きてきた。それが群像劇としての厚みとなっている。さらに男たちの胸の奥底にある、万季子に対する思いにも注目だ。

 23年という歳月で彼らの何が変わり、何が変わっていないのか。「過去の秘密」と「現在の関係」という二重構造が物語に緊張感を与えている。

 原作は横関大の江戸川乱歩賞受賞作。構成力が光る脚本は、「僕の生きる道」(フジテレビ系)などの橋部敦子だ。

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