『ザ・ナイト・ビフォア』いかにも「アルバムA面2曲目感」にあふれている
アルバム『ヘルプ!』(1965年8月6日発売)⑧
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■『ザ・ナイト・ビフォア』
アルバム『ヘルプ!』A面2曲目はポールの曲。
映画の中では、平原の中で演奏される。演奏が終わった瞬間、戦車に攻め込まれて、まるでコントのような大騒ぎに。
不思議な語感のタイトルは「昨夜」という意味。
このアルバムで覚醒した感のあるポール。『イエスタデイ』は別格として、例えばこの曲でも、これまでよりは一段上の完成度で聴かせる。
アレンジもいよいよこなれてきて、曲の顔(メイン)となる楽器を1つ選んで、その音を中心に抑揚ある音像を作っている。
この曲ではジョンの弾くエレクトリックピアノが顔だ(ご丁寧に、映画の中でもジョンはエレピを弾いている)。
ちょっと変なことを言うが、いかにも「ビートルズのアルバムA面2曲目な曲」だと思う。「渋くて地味だけど、よく聴けばいい曲」という「A面2曲目感」にあふれている。
画像は、かつて私が考えた仮想アルバム「アルバムA面2曲目コレクション」の曲順。
『ザ・ナイト・ビフォア』は渋くて地味なA面2曲目の中でも、さらに渋い「B面4曲目」でどうだろう。
ちなみにこの仮想アルバムのA面2曲目、つまり「A面2曲目の中のA面2曲目」は、事実上のラストアルバム『アビイ・ロード』の『サムシング』で決定だ。
■『悲しみはぶっとばせ』
何やら物騒な邦題である。原題「ユーヴ・ガット・トゥ・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ」は「恋心は胸の中にしまっておけ」という意味だから、かなりの意訳。しかしまぁ雰囲気はある。
前作『ビートルズ・フォー・セール』の『アイム・ア・ルーザー』に続く、ジョンによる「ボブ・ディランもの」。
映画の中では、ピンクの服を着たヒロイン「アーメ女官」(ちあきなおみに少し似ている)の前で歌われる曲だ。
今回、調べていて初めて知ったのだが、この『悲しみはぶっとばせ』は、ビートルズの意思で外部音楽家を導入した初の曲らしい(ジョージ・マーティン主導のセッション・ドラマー起用は除く)。
ラストのやわらかい音のフルートが、ビートルズに招かれたジョニー・スコットというプレーヤーによるパート。この曲を契機に、ビートルズの曲には、雪崩を打ったように、数々の外部の演奏家が参加していくこととなる。
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