小説家デビューの女優・山村紅葉さん 偉大なる母「サスペンスの女王」の娘に生まれたがゆえの苦悩

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「サスペンスの女王」が明かす2時間ドラマ激減の理由

 ──まさに“職業病”ですね! その2時間サスペンスドラマですが、近年は放送本数が減ってきています。

 理由としてよくお聞きするのが、制作費と撮影日数が非常にかかってしまうという点です。大人が見て楽しめる番組が減ってしまうのはとても残念です。あと、旅館とのタイアップが減ってしまったのも理由だという説も多いです。世間がまだ好景気だった頃は社員旅行が盛んに行われていましたが、2時間ドラマで旅館が使われると、「この旅館に泊まりたい!」という声が視聴者の皆さまから上がっており、旅館経営者の方々から「どうぞ撮影に使ってください!」という声が多く上がっていたとお聞きしますからね。ただ、「2時間ドラマが減った」のは地上波だけの話。BSでは今も健在です。「2時間ドラマを目にしなくなったな」と感じていらしたら、ぜひ、BSへ。

 ──ところで、年齢を重ねても前を向き続けられる秘訣があったら教えてください。

 喜劇やバラエティー番組を見て、「笑うこと」を欠かさないようにしています。やはり、「笑うと元気になる」とはよく聞きますし、そうであれば、長生きできたりするんじゃないかと。実際、そのような実感はあります。私の舞台を見に来ていた、杖なしでは歩けない高齢女性が私の楽屋を訪問して談笑していたら、帰りには杖を忘れて帰られたということもあったんです。そのような考えもあって、2024年からは芸能界の任意団体の「ゆうもあくらぶ」の理事長を務めているんです。たとえ、世相が暗くても笑えば元気になれると思っているので。

■65歳になった率直な感想は「あ、もうすぐ死ぬのかな?」

 ──1996年9月に65歳で突然の最期を迎えられた山村美紗さんは、亡くなった時と筆をおかれた瞬間は同じでした。紅葉さんもその年齢に去年の誕生日(10月27日)でなりました。

 65歳になった瞬間は「あ、もうすぐ死ぬのかな?」「人生、あと何日かしかないのかな?」という思いにかられました。お誕生日って毎年楽しいものだったのに、去年は全く違う受け止め方をしましたね。母は65歳という、まだまだ活躍できる時期に亡くなりましたが、その直前まで「アイデアはいっぱい浮かんでいる」と言っていましたから、さぞかし無念だっただろうなとは今でも思います。だから、「母が書きたかった思い」だけでも継げればという思いは、小説を書く最中に心の中にありましたね。

 ──ちなみに、女優としては新ドラマの撮影中ともお聞きしました。

 7月期の日本テレビ系「ファーストクライ 母子救命救急班」というドラマに助産師役でレギュラー出演します。赤ちゃんを取り上げるという大事な仕事で、赤ちゃんが生まれてくるという神秘性に魅せられています。

 ──65歳で初めての小説。世の中には「新しい挑戦をしたくても一歩を踏み出せない」という人もいます。

 母の一番の口癖は「今からでも遅くない」でした。母の小説家デビューは40歳と遅めでした。私も芸能界デビューこそ大学生時代でしたが、初めて舞台に立ったのは30歳を過ぎてからです。年下の先輩に囲まれながらの舞台デビューで、やはり、「今からでも遅くない」の精神で挑みました。

 ──最後に紅葉さんと同世代の日刊ゲンダイ読者に向けて、人生後半をたくましく生き抜くために必要なアドバイスをお願いします。

 多くの皆さんにとって、「今からが大切な時間」ではありませんか? 会社勤めや子育てが終わる年齢層でしょうから、まさに、今後何年間かが自分のやりたいことが思い切りできる時期だと思うんです。体はまだまだ元気なのに、飛行機や新幹線の割引がつき始める年齢だというのもチャンスかと(笑)。重ねてになりますが、やはり、今からでも遅くない!

 (聞き手=坂下朋永/日刊ゲンダイ)

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