昨日より新鮮な自分を探り続ける、白石加代子の軽やかな人生の重み
逆に白石にとっては「とても怖いところ」(「日本経済新聞」22年8月8日)と思っていた舞台が怖くなくなった。
「『百物語』をやらせていただいた後は、袖から舞台の上に出てくるのが全く怖くなくなった。お客様と心が通い合って、自分が楽しくなるっていう感じでした」(ローソンエンタテインメント「クランクイン!」26年1月31日)
「百物語」をやるまでは、自分がやり続けてきたことを「大事に守る」という意識が強かった。けれど、それはよくないと思うようになった。
「お芝居って毎日同じことをするけど、昨日の演技は全部捨てるつもりで、翌日はやるの。いまも舞台に立つときは、そう考えています」(「素敵なあの人Web」=前出)
だから、白石が出演作を決める基準は「新鮮で、楽しめそうだなと思える」(イープラス「SPICE」24年12月24日)というシンプルなもの。毎回、自分が演じるならば、こうなるだろうと近づけたいと思う一方で「でも、見当がつくようなものをそのままやっているだけでは、すぐに飽きられるだろうし自分も飽きる」と考え、「前とは違う私じゃなきゃ見つけられない道を、そのつど探して」きたという(マガジンハウス「anan」19年12月4日号)。
「そうやって道を探りつつ生きてきたら、こんな特殊な女優になっちゃったんだけど」(同前)
冒頭の番組で「演じる」とは何かと問われ、「そんな哲学的なこと考えたことない」と笑った白石加代子。その軽やかさに人生の重みが凝縮されていた。



















