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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

昨日より新鮮な自分を探り続ける、白石加代子の軽やかな人生の重み

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 逆に白石にとっては「とても怖いところ」(「日本経済新聞」22年8月8日)と思っていた舞台が怖くなくなった。

「『百物語』をやらせていただいた後は、袖から舞台の上に出てくるのが全く怖くなくなった。お客様と心が通い合って、自分が楽しくなるっていう感じでした」(ローソンエンタテインメント「クランクイン!」26年1月31日)

「百物語」をやるまでは、自分がやり続けてきたことを「大事に守る」という意識が強かった。けれど、それはよくないと思うようになった。

「お芝居って毎日同じことをするけど、昨日の演技は全部捨てるつもりで、翌日はやるの。いまも舞台に立つときは、そう考えています」(「素敵なあの人Web」=前出)

 だから、白石が出演作を決める基準は「新鮮で、楽しめそうだなと思える」(イープラス「SPICE」24年12月24日)というシンプルなもの。毎回、自分が演じるならば、こうなるだろうと近づけたいと思う一方で「でも、見当がつくようなものをそのままやっているだけでは、すぐに飽きられるだろうし自分も飽きる」と考え、「前とは違う私じゃなきゃ見つけられない道を、そのつど探して」きたという(マガジンハウス「anan」19年12月4日号)。

「そうやって道を探りつつ生きてきたら、こんな特殊な女優になっちゃったんだけど」(同前)

 冒頭の番組で「演じる」とは何かと問われ、「そんな哲学的なこと考えたことない」と笑った白石加代子。その軽やかさに人生の重みが凝縮されていた。

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