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本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に、「東京降りたことのない駅」(大洋図書)、「全裸編集部」(双葉社)などがある

“トリプルブッキングの野田”がとった狂気のヘリ空輸大作戦

公開日: 更新日:

 とにかく間に合わせればいいんだろ。居直りにも似た気持ちだった。移動するには電車では無理だ。どうする? 他に移動手段といったら空しかない。

 そうだ! ヘリコプターがあるじゃないか。

「ヘリの会社、なんだっけ。木場から飛んでたんです。ヘリの操縦士に聞いたら、“天候によりますけど富士山の左側の横をフーッとまっすぐ行ったら30分で行けるし戻りも30分です”って言われたの。ヘリなら間に合うことがわかったけど、名古屋のイベント会場と緑山スタジオにはヘリの発着所がなかった。必死になって調べたら名古屋にはゴルフ場練習グリーンに降りられるってわかった。あとは緑山。スタジオには降りられないけど、近くに空き地があってそこに降りられるとわかって許可をとった」

 往復のヘリコプターチャーター代は燃料費も含めて50万円。名古屋のイベント出演料も同じく50万円。

 ヘリの爆音を耳にしながら名古屋上空を旋回する野田は苦笑した。

「営業のギャラ50万、行ってこいかよ。まいったなあ」

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