著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任、薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

2つの作用がある「アスピリン」は服用する時に注意が必要

公開日: 更新日:

 こうした2つの作用があることで、注意すべき点が出てきました。それを「アスピリンジレンマ」といいます。血をサラサラにする量のアスピリン服用中の人が、解熱鎮痛薬として追加で多い量のアスピリンを服用したときに起こります。多い量のアスピリンを服用すると、たしかに解熱鎮痛作用を発揮しますが、同時に血小板の凝集を抑制する物質(プロスタグランジンI2)の合成も抑制してしまいます。つまり、血小板凝集に必要な物質と血小板の凝集を抑制する物質両方の合成が抑制されることで、血をサラサラにする効果が打ち消されてしまう可能性があるのです。

 これから寒くなって風邪をひく人もいるでしょう。もし、血をサラサラにすることを目的としてアスピリンを服用しているのであれば、市販薬を購入する際にはアスピリンを含有していないものを選んでください。そして、病院を受診する際は今服用しているクスリの内容を必ず伝え、影響のないクスリを選択してもらうようにしましょう。 ほとんどの方が一度は耳にしたことがあるアスピリンですが、このようにちょっと不思議な特徴があるのです。クスリって面白いと思いませんか?

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