アナフィラキシー31倍 ワクチン接種に注意が必要な人たち
新型コロナのワクチン接種で、強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」の報告例が急増している。9日までに全国で計17件起きた。河野行革担当相も衆院内閣委員会で「欧米の状況と比べると、数が多いように思われる」と述べた。17人は全員が女性である。米国では20万件あたりおよそ1件なのに、日本では10万7558人(3月9日時点)あたり17人だから、日本人は約31倍だ。
日本人は欧米人に比べてアナフィラキシーが起きやすいのか。ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)は「肌の色や食生活の違いでアナフィラキシーの発生率にさほど差は出ません」と言う。
「考えられるのは日本と米国のアナフィラキシーの定義が違うという可能性。米国のほうが厳密に区分しているのかもしれません。男性も女性もアナフィラキシーが起きる可能性は同じ。なのに全員が女性なのはアナフィラキシーではなく、副反応を気にしすぎる女性が心理的なパニックで目まいや息苦しさを感じたとも考えられます。現在接種を受けているのは医療従事者で女性のほうが圧倒的に多いということもあるでしょう」