著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

政府に五輪など開かせたくない ワクチン配りだけやっとけ

公開日: 更新日:

 コロナめ。仕事が止まったりなくなったりした人がどれほどいることか。近所のラーメン飲み屋だって全日シャッターを下ろしたままだ。1日6万円補償で、もう2カ月経った。計360万円、このデタラメ国家から経済を回すために支払ってもらったんだろうか。そんな話はまだ聞いていない。おまけに、我らサラリーマンじゃない、仕事のなくなった「個人事業主」にはもう半年前からビタ銭一文配られていないのだ。今、個人事業主こそルンペンプロレタリアートだ。この60年代の懐かしいドイツ語を訳したら最下層浮浪極貧層ってことだ。古だぬきの政治屋どもよ、思い出したか。芸能界でも億万長者以外の、水のみ百姓ならぬフリー芸能者たちは生殺しのままで社会に放っておかれているんだ。こんな人間こそ救うのが“国家”じゃないのか。腹が立つどころかムカついている。

 役者稼業が悔しくて、もう気が狂いそうだと愚痴る年配役者までいる。文化庁から助成金が誰にも出るわけではないが、無理やりに自主映画モドキを作ったり、投げ銭欲しさにユーチューブに舞台芸をアップさせる知恵者や策士もいる。「すばらしき世界」という最近の邦画で、瞬間湯沸かし器型ヤクザの元組員が長い懲役から戻ったものの更生できそうな就職口がなく、職が見つかったと思ったら心不全でぽっくり死んでしまう救いようのない、少しもすばらしくない惨めな話もあったが、売れない芸人だろうが元ヤクザだろうが、駅前で地べたに座ってマスクもなしに物乞いする婆さんだろうが、最下層民を助けるのが“社会”じゃないのか。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  4. 4

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  5. 5

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  1. 6

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波