北村明広さん 宮沢賢治の世界を“ワインで泳ぐ”感覚がいい

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「お酒は毎日、種類は問いません。日本酒も好きですが、痛風で……。基本はウイスキーと焼酎のロック、たまにワインですね」

 そう語るのは出版社(株)クレタの創業者で代表取締役の北村明広さん(55)。多くの男性誌が苦戦を強いられる中、編集長を兼任する「昭和40年男」(隔月刊)はタイトル通りその世代にターゲットを絞った特集記事で大人気。刊行以来、堅調な売れ行きだ。直近号の表紙モデルはキョンキョンこと小泉今日子。彼女の巻頭ロングインタビュー記事が話題を呼んでいる。

 北村さん、20代半ばまではミュージシャン。ロックバンドのボーカルとして活動。作詞作曲も手がけていた。進路を考えあぐねていたとき「作詞できるんだからコピーも書けるだろ」と考え、広告マンに。「今思えばそれほど単純なものではないですけど」と苦笑い。

 その後、独立して企画会社を立ち上げた。バイク関連の仕事に加わり数々の雑誌を立ち上げ、2009年に「昭和40年男」を創刊。

「創刊時からツーベース、ときにスリーベース、たまにシングルヒットといった売れ行きでした」

 その後、同じ隔月刊の「昭和50年男」も刊行。

村上春樹の初期作品に感じるとがった男の世界

 そんな北村さんが「読むツマミ」として挙げるのが、村上春樹「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」、宮沢賢治「やまなし」、そしてちばてつや「あしたのジョー」。

「とくに村上作品初期のこの2作は、ロックの世界というか、とがった男の世界を再確認できるんです。ザラザラした感触というか……」と北村さん。「ウイスキー、焼酎のロックを5、6杯飲んでまったりと眠りにつくのがいい」とも。「最近は機会が減りましたが、外で飲むならボトル1本は……」というかなりの酒豪だ。

「『やまなし』は忘れていた若いころの想像力を思い出させてくれるんです。これを読むときはワインがベスト。『ワインで賢治の世界を泳ぐ』感覚。これがまたいい」とニッコリ。さらに「『あしたのジョー』で展開される愛の強さとか恋愛ドラマも、心と体がほどよく燃える感覚があっていい。読み返すたびに言葉の塊のようなものに圧倒されたり、絵が変わったりして……。以前、お会いしてお話を伺ったんですが、ちばさんが舞台としてモチーフにしたのが荒川区の町屋界隈だったとお聞きし、近所で育った私としては感慨深いものがありました」とも。

 その日の気分に合わせて、ツマミを選ぶ日々。

「お酒を飲むときは、雑誌は読みません。仕事モードになって目が冴えてしまいますから」と笑った。

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