著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

開成も麻布も実は“すべり止め”…両校を蹴って秀才が行く最高峰「筑駒」の実力

公開日: 更新日:

「うちに来る生徒の大半は挫折を味わっている。開成も同じでしょう」と話すのは麻布の元教師。1日、開成中学と麻布中学の入試が行われた。開成は東大合格者数41期連続首位、麻布は68期連続トップ10入りと、誰もが認める超ド級の名門中高一貫男子校だ。

 今年の開成中の出願数は1289人、麻布中は918人となっているが、「彼らの本当の第1志望は別にある」(同)という。昨年、開成中は1206人の出願があり、当日試験に臨んだのは1050人。合格したのは416人だったが、実際に入学したのは305人。麻布中は合格者371人に対し307人だった。

 難関の入試を突破しながら、開成は111人、麻布は64人が別の中学に入学していることになる。開成や麻布を蹴って行った先で最も多いのが男子中高一貫の筑波大学附属駒場(筑駒)だ。筑駒中の入試は開成や麻布の2日後の3日に行われる。

「中学定員120人、高校から採るのも40人という少数精鋭。国立なので中学は入学金や授業料がタダ、高校も初年度20万円程度と授業料が安いのも魅力ですが、何より大学進学実績が飛び抜けている。関西の雄である灘をも凌駕し、国内の進学校でナンバーワンといっても過言ではない」(大手学習塾スタッフ)

■4人に3人が東大に合格した年も

 昨年の東大合格者数は97人。生徒数の約6割に当たるが、2019年までは7期連続で100人を超えており、4人に3人が東大に合格した年もある。

「半世紀以上も前から中学受験の最高峰であるのは変わらなかった」と振り返るのは麻布OB。1970年代前半に筑駒(当時の校名は教育大学付属駒場=教駒)と麻布を受験した。入試日が同じ男子御三家(開成、麻布、武蔵)のうちの1校と、別の日に行われる筑駒を併願するのはこの頃からの中学受験の代表的な組み合わせだった。

「僕が受けた時は学力試験で通っても、そのまま教駒に入学できるわけではなく、その後に抽選があった。そこで落とされ、非常に悔しい思いをしたことを覚えています」

 60年代中ごろから、中学受験が過熱。国立校がその片棒を担ぐのは問題だと批判が高まり、入試に抽選を導入するなど、試行錯誤を繰り返していた。

 現在は最初に抽選を行い、そこで通った受験生だけが学力試験に臨めることになっている。抽選を実施するのは出願数が定員の8倍を超えた場合。実際にはここ10年以上、そのボーダーに達したことはなく、抽選は行われていない。

「数年前に孫が筑駒を受験しましたが、残念ながらかなわず、開成に入りました。本当は麻布を受けてほしかったのですが、将来医者になりたいらしく、医学部進学の実績がより高い開成を選んだ。もちろん、筑駒に入れれば一番良かったのですが……」(前出の麻布OB)

 開成や麻布がすべり止めとは、なんともゼイタクな話だ。



◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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