超音波検査のメリットは臓器の動きや血流を動画でチェックできること

公開日: 更新日:

■立っている状態かお座りで

 では、超音波検査をどうやってワンちゃんなどに行うか。一般にはあおむけや横向きに寝かせることが多いと思いますが、当院では普通に四つ足で立っている状態かお座りです。

 この体勢はワンちゃんなどにとって自然の状態ですから、ストレスがありません。さらに飼い主さんになでてもらったり、声かけしてもらったりすると、より一層落ち着きます。そうやってスタッフが、超音波を発するプローブを当てる部分を軽く持ち上げてくれればしっかりと不動化でき、きれいな画像を得られるのです。

 ちなみにあおむけだと、臓器や腸などもそれぞれの重さで背中側に下がりやすくなります。そうすると、たとえば腹水がたまっていても、分散しがちの画像になる欠点もあるのです。立っている状態での画像なら、その欠点を克服でき、圧倒的に診断しやすい。

 ただし、あおむけ状態での撮影画像と上下が逆になるため、慣れないと違和感があるかもしれませんが、繰り返しているうちに問題なく診断できるようになります。若い獣医師さんはむしろ四つ足での撮影を習熟すべきでしょう。

 超音波検査は動物目線で行えば負担を与えることなく、有用な情報が得られる検査ですから、触診などの延長線上に位置づけて、もっと役立ててほしい検査といえます。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然