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畠山理仁フリーランスライター

1973年、愛知県生まれ。各地の選挙現場を訪れ、面白さを伝える「選挙漫遊」の提唱者。著書「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」で第15回開高健ノンフィクション賞。「コロナ時代の選挙漫遊記」など著書多数。

【石丸伸二現象】東京都知事選での「切り抜き動画」は既存メディアに匹敵する影響力を示した

公開日: 更新日:

 この動画は一度しか放送されないテレビとは違い、好きな時間に何度でも再生できる。しかも、類似の動画が次々におすすめされる仕組みだから接触機会が増える。再生回数の多い動画はユーザーの収益にも結びつくため、新たな動画が再生産される。この循環が石丸人気を爆発させ、「石丸現象」と呼ばれるほど大きなうねりになった。

 石丸氏の演説が従来の政治家像とかけ離れていたことも特徴だった。「東京を動かそう」というフワッとした主張で絶叫はしない。具体的な政策は街頭でほとんど語られず、石丸氏は「続きはウェブで」と言い放った。

 その一方、旧来の権威を攻撃する言葉は力強い。だから切り抜きやすい。石丸氏の選挙戦にボランティアとして参加していた女性(71)は筆者にこう語った。

「今まで政治に興味はなかったが、ユーチューブで石丸さんの動画を見て驚いた。彼は古い政治家に対して、私たちが言いたかったことを忖度せずに言ってくれる」

 彼女が選挙に関わるのはこれが初めて。「政治的初恋ですね」と言うとうれしそうに笑った。

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