シニアのペットの骨折はきれいな整復が不要なときもある

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手術の負担を考えると…

 今回のワンちゃんは14歳のシニアで、年齢的に若いワンちゃんのように活発に走り回ったり、激しい動きをしたりすることはありません。飼い主さんも初老のご夫婦で、近所の散歩くらいです。これなら麻酔をして大がかりな手術をせずとも、自然治癒と理学療法、リハビリで十分回復できます。骨の化骨に3~4週間ほどかかりますが、シニアということを考えると、手術の負担よりこちらが無難でしょう。

 電話で2次診療の獣医師にその考えを伝えると、尊重してくださり、以後は骨の付き具合を画像検査でチェックしてもらい、1カ月が経過。骨は無事にくっついたので、その後の理学療法とリハビリは当院で行っています。もちろん、飼い主さん夫妻も、この考えを納得の上で満足されています。

 この連載でも何度となく触れているように、最近は企業病院が増加。そのグループの中にかかりつけの1次病院、2次診療病院、総合病院を設けているケースも珍しくありません。そうすると、1次病院で対応できない治療は2次病院が行い、2次病院の治療方針が優先されやすく、今回のようなシニアのワンちゃんやネコちゃんにも麻酔を前提とした手術が行われやすくなります。

 シニアで簡単な骨折なら無理な整復が不要なことは、飼い主さんも頭にいれておくべきです。ドアに挟んだことによる手先や足先の骨折も、ワンちゃんネコちゃんともこのパターンに該当することが多いと思います。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

【連載】ワンニャンのSOS

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