シニア猫の排尿、排便の補助をしてあげよう
かかりつけの方の紹介で20歳のネコちゃんを連れて飼い主さんが来られました。これまで元気でほとんど病気にかかったことはなかったそうですが、最近は食欲不振でトイレにこもって下痢をしているとのこと。
毛ヅヤは悪くなく、外見や全体から腫瘍などのリスクはなさそうでしたが、腹部の触診と肛門の周りに付着した下痢便でピンときました。
宿便の停滞と収縮力の低下した膀胱で、原因は変形性脊椎症と思われます。脊椎の変形で自律神経が圧迫され、腸の蠕動運動や膀胱の収縮力が低下したのでしょう。
今回のケースは自力での排尿が難しくなっていく途中の状態ですが、このようなことはハイシニアのネコちゃんに多く、読者の皆さんも対策を頭に入れておくことをお勧めします。排尿と排便の介護です。
まず排尿から。ネコちゃんの膀胱は腹部にあって一般の方でも触知しやすい。毎日1回、適度に圧迫すると、排尿の補助になり、尿の停滞が避けられます。そうすると、尿が毎日、入れ替わるので手についても汚くありません。これをやるのは、ネコちゃんが圧迫に気づかない完全麻痺になってから毎日1回です。