JICAの「ホームタウン」事業撤退で損なわれる国益…排外主義的なデマ拡散で苦情殺到の異常事態

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 デマに屈してしまったということか……。国際協力機構(JICA)が25日都内で会見を開き、アフリカとの交流推進を目的とした「ホームタウン」事業の撤回を表明した。

 JICAは先月、アフリカ開発会議(TICAD)に合わせた会合で、国内4市をアフリカ諸国のホームタウンに認定。山形県長井市がタンザニア、千葉県木更津市がナイジェリア、新潟県三条市がガーナ、愛媛県今治市がモザンビークのホームタウンになった。

 この事業は国際交流の一環で、あくまでインターン受け入れなどを想定したもの。しかし、ナイジェリア政府が「日本が特別なビザ(査証)制度を創設する」と誤った内容の声明を発表。これを機に、SNS上で<移民を定住させる制度だ>との誤情報が猛拡散し、排外主義的なデマも飛び交う事態に発展した。

■「悪しき前例になりかねない」

 認定された4市には「移民増加で治安が悪化する」との抗議が殺到。そのひとつ、木更津市役所によると、先月25日から9月24日までに、電話で約9000件、メールで約4000件の問い合わせがあった。各自治体の業務に過大な支障が生じたことで、JICAは事業撤回を判断した。

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