狭い世界で生きるシニア男性が夢を託す大谷翔平は自身のアバターなのか? テレビの向こうで繰り広げられる「代理戦争」に自らを投影してしのぐ「人生の残り時間」
「大谷がいないと生きていけない」
少し前に出会った元工場経営者の80代男性も、こんな話をしていた。
「大谷の試合がない日は、生きていても張り合いがない。毎日、息子が与えてくれるわずかな機械製品の内職をこなしているだけで、生きていても面白くない。大谷が頼りだ」
明日もこの老体を引きずって生きていくしかない、でも食うに困るほどの絶望でもない……という“ぬるま湯地獄”を生きる高齢男性にとって、大谷の活躍は一日一日を延命する生命線だ。
叶わなかった夢、過ぎ去った若さを大谷に託し、残りの人生の退屈に怯えながら生きる日々……。大谷の戦いは、世界に挑むチャンスはもう来ることのないシニア男性たちの「代理戦争」のようにも思える。
9月1日。ようやく夏休みが終わり、Kさんには日常が戻ってきた。いつものように交通指導員の仕事を終えて犬の散歩に出かけると、今日もKさんの大谷タイムが始まる。
(了)
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本編の前編は【もっと読む】交通安全指導員の70代男性が「ひきこもり」になった理由はペットだった…でどうぞ。



















