プーチン大統領えげつないロシア軍補強…「開戦宣言」パスでも年末までに45万人増員か
節目とされた5.9対独戦勝記念日に新たな局面入りすることもなく、「プーチンの戦争」は続いている。消耗戦を想定したロシアが最大45万人をウクライナに投入するとの見方が浮上しているが、プーチン大統領はそんな威信を保っているのか。ネオナチ掃討を掲げるだけで喧伝に値する戦果を挙げられず、出口はなお見えないままだ。
ウクライナのメディアは軍の予備役大佐オレフ・ジダーノフ氏の見方として、ロシアが年末までに最大45万人を戦争に動員する可能性があると報道。このうち、最大15万人が戦勝記念日以降に投入されるとの見通しを伝えた。ロシアの情報機関FSB(連邦保安局)の内部告発によれば、ウクライナを支配下に置くには最低50万人を投入する必要があると分析していたから、現実的な数字なのだろう。ロシア軍は現役兵90万人、予備役200万人体制。これまでにウクライナ戦線に約19万人を投入している。軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「戦勝記念日のプーチン演説で『開戦』あるいは『戦争状態』に言及することを合図に、予備役3万人が派兵されるとみられていました。ヒトラーユーゲントを彷彿とさせる国防省傘下の青少年団体『ユナルミヤ』には8歳から18歳までの85万人が所属し、17歳から18歳が30万人を占めている。愛国教育を受ける彼らを動員する可能性もあった。ところが、『特別軍事作戦』にも触れずじまい。戦時下の総動員体制に至らないままでは、ウクライナ側が懸念するような増強は困難でしょう」