マレリHD(上)経営再建を目指すが…支援企業の選定が難航中
■ADR成立は6月以降にズレ込む?
経営再建を目指す自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ)の支援企業の選定が難航している。4月26日、東京都内で債権者会議を開き、当初、5月末を予定していた私的整理のひとつ、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決手続き)の成立が6月以降にズレ込む可能性があると説明した。
債権者会議は3回目。オンラインを含め、融資している全26の金融機関が出席した。支援企業の選定はADR成立に不可欠だが、この日に提示する予定だった支援企業名と再生計画案はいずれも示されなかった。
支援企業の選定が難航している最大の理由は、新しいスポンサーの候補に、マレリの親会社である米投資ファンド、KKRが名乗りを上げているからにほかならない。
マレリは3月1日、事業再生ADRを申請した。金融機関に対する負債額は昨年9月末時点で1兆1000億円を超えていた。
事業再生ADRで減免や猶予の対象になるのは銀行が貸し付けた債権などだが、債権者全員の合意が必要となる。合意が得られなければ民事再生法や会社更生法の適用を申請し、裁判所の下で再建や清算の手続きに移行することになる。