牛の尿でできた消臭液「きえ~る」は ペットにもシュッ! “見える化“徹底で売り上げ急増
牛の尿から作られた消臭液「きえ~る」が、リブランディング後の売り上げが120%以上に増えたことで話題となっている。2015年、国連が示した「サステナブルな社会」という言葉の通り、地球だけでなく、新たな雇用を生み出すなどの「循環システム」を構築した画期的な商品だ。
もともとは、牛の糞尿汚染という公害対策から自然偶発的に生まれた商品だが、人気商品として定着しつつある背景には徹底した“見える化”があるようだ。製造・販売する環境大善株式会社の窪之内誠社長に話を聞いた。
■エビデンスを示すための言語化
「1998年に父の代から販売を始めた『きえ~る』でしたが、当初は『使ってみたら効果がある』という実感主義での販売が多く、科学的根拠やエビデンスが少ないままでした。2016年に私が事業承継したのですが、商品の説得力として真っ先に必要だったのが、消臭のメカニズムを解明すること。そこで北見工業大学と共同研究を行い、効果や裏付けを可視化・言語化することで、創業当初からは想像できないような大手デパートの常設コーナーでの販売や、ファッション誌で取り上げられるなどの広がりを見せています」
継続して売れる商品にするため、50~60代の女性をターゲットにしていたブランディングの見直しも図り、若年層にも気軽に使ってもらえるような取り組みを目指したという。
「最初は自社商品の強みや弱みを分析し、ブランドの価値を見直すところから始めました。消臭効果のメカニズムとして『善玉菌』が作用していることもあり、社名も『環境ダイゼン』から『環境大善』に変え、同時に『どのように社会に貢献していくのか?』というビジョンをまず社内に掲げ、インナーブランディングをしました」