大阪万博パビリオン設計者が「事故・自殺の恐れ」が強く警鐘…異常な現場の超過酷な労働

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「強行開催へ突っ走ったら、労働災害が多発する」──。能登半島地震発生後も岸田首相が「延期も中止もない」と断言する2025大阪・関西万博をめぐり、会場建設を担う現場から、そんな悲鳴が上がっている。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げているが、命を削っているのが実態だ。

 9日の衆院予算委員会で、岸田首相は万博の意義について「わが国の各地方が誇る安全・安心な農林水産物や食文化を国の内外にアピールする絶好の機会だと認識している」と答弁。現場の実情を知っているのか? アピールうんぬんの前に強行開催への懸念に耳を傾けてほしい。

 パビリオン設計を担当する1級建築士は「万博反対の論陣を張るつもりはないが」と前置きしつつ、こう明かす。

「私が聞く限り、周囲の設計・施工関係者は、おしなべて開催延期を望んでいます。来年4月開催に向けて無理をしても、得るものは何もない。自前でパビリオンを用意する国は約60カ国あり、今から着工してギリギリ間に合うかどうかなのに、着工に必要な詳細設計が完成しているのは半分以下。3分の1は設計にすらこぎつけていません。海外パビリオンは各国の設計担当者が作成したものを日本の建築基準などに合わせて作り直す必要があり、どうしても準備に時間を要する。タイトな日程を強いられる中、すでに設計関係者も施工関係者も夜通し作業を余儀なくされており、多大なストレスを抱えている惨状です」

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