「カラオケの鉄人」に問われるのは創業者の手腕…市場は縮小化、多角化で再浮上図れるか
「カラオケの鉄人」を運営する鉄人化ホールディングス(HD)の業績回復が道半ばだ。ピーク時は売上高が100億円を超えたが、コロナ禍では半分近くまで減少。回復したものの、2025年8月期の予想は80億円にとどまる。
同社は00年にカラオケの鉄人1号店を開業後、都内を中心に勢力を拡大。若者の間では「カラ鉄」の愛称で親しまれ、ピーク時の14年8月期には売上高102億円となった。カラオケ市場は90年代に縮小し、当時は横ばいに推移していた時代。参加人口も4700万人前後で横ばい。同社はなぜ伸びたのか。
「居酒屋街が栄えている駅に絞って出店し、認知度を上げた。楽曲ではアニソンやK-POPでマニアックな曲もそろえ、ニッチな客を取り込んだ。アニメとのコラボ企画も頻繁に行っており、“推し活”の場にもなっている」(外食関係者)
カラオケファンの間では楽曲数の多さが評判。しかし競争激化で出店できなくなった上、カフェや漫画喫茶事業から撤退し、19年8月期の売上高は72億円となった。
その後はコロナ禍が追い打ちをかけ、21年8月期は52億円に。カラオケ店の店舗数は14年から21年度の間、63から43に減少した。緊急事態宣言の発令期間中も一時は通常営業を継続したが、外出自粛の流れにあらがえなかった。