キッズスター 平田全広社長(1)累計800万DLの子供の職業疑似体験アプリ「ごっこランド」率いるトップ
お年玉は、全部、趣味につぎ込んでいました
実家の電器店は繁盛していたといっても、親は子供を甘やかすようなことはしなかった。やみくもに小遣いを与えることはなく、そうした費用は自分で捻出しなければならなかった。コンサートのチケットやプロレスのビデオもけっして安くはない。ハマりだすと、けっこうお金がかかった。
「資金はお年玉です。親戚が多かったので、正月になると兄貴と2人でお年玉集めの旅に出るんです。呼ばれてもいないのに親戚の家に押しかける。そうしてまわると、それぞれ10万円以上のお金ができて、それを全部、趣味につぎ込んでいました」
平田氏がもうひとつ熱中したことがある。サッカーだ。小学生では地域の少年団、中学では部活に入った。憧れはユベントスのプラティニ選手。プレースタイルからユニホームの着方まで真似した。
「当時、海外サッカーを見るにはテレビ東京系列でやっていた『ダイヤモンド・サッカー』が頼みの綱。1試合を2週間かけて放送する。奈良ではテレビ大阪でやっていたのを見るしかなかったんですが、電波具合で映ったり映らなかったり。けっこうイライラした記憶があります」
84年には奈良で「わかくさ国体」が開かれ、サッカーを観戦した。
「先日亡くなられた釜本邦茂さんも来られていた。この年に現役を引退しているので、試合には出ていなかったかもしれませんが、その姿をリアルで見られたのはラッキーでした」 (つづく)
(ジャーナリスト・田中幾太郎)



















