「第3の健康食品」解禁 安倍政権が米国に貢ぐ4兆円市場
血圧を下げたり、コレステロール値を抑えたりする効果をPRするサプリやトクホ(特定保健用食品)が売れている。これらは人工的に作られたものだが、安倍政権は世界で初めて野菜や肉、魚など生鮮食品の機能表示を認める新制度を導入しようとしている。
5回開かれた消費者庁の専門家検討会を受け、6月にまとめる成長戦略に盛り込み、来春のスタートを目指すという。実現したら、「温州ミカンは、骨の健康を保つβ―クリプトキサンチンを多く含み、(骨粗鬆症(こつそしようしよう)になりやすい)更年期以降の女性に適しています」なんてコピーが付けられたミカンが店頭に並ぶようになるのだ。
大企業が莫大なカネをかけて開発した「高リコピントマト」(カゴメ)、「抗酸化作用3倍の機能性ブロッコリー」(ドール)といった機能性生鮮品はなくもない。しかし、食品に含まれる成分のひとつを抜き出して機能を調べたら、何でもうたえるようになるというのだから、どうも変だ。
■科学的根拠あいまい
「トクホは人での臨床試験が義務づけられていますが、新制度では必要ありません。もっともらしい論文を見つければ、企業は自己責任で生鮮食品の機能性をアピールできるわけです。しかも対象は生鮮品だけでなく、サプリや加工食品など食品全般。なぜそんないい加減な制度が議論されているのかというと、米国の突き上げがあるのです」(永田町関係者)