戦没者式辞から「自由」と「民主主義」を削った安倍首相の独善

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 広島と長崎の平和式典の挨拶で「コピペ」批判を浴びた安倍首相。15日の終戦記念日の戦没者追悼式はどうするのか注目されたが、さすがに今回は昨年と文面を変えていた。しかし、その変更点には首相の“意思”が透けて見える。昨年あった〈戦後わが国は、自由、民主主義を尊び、ひたすらに平和の道を邁進してまいりました〉という文章が今年はスッポリ消えていたのだ。

 安倍首相は、解釈改憲という“禁じ手”で集団的自衛権の行使を容認するような人物だ。「国民の前に国家」という思想だから、自由や民主主義を軽視する傲慢な本心が表れたのだろう。歴代首相が繰り返してきた「不戦の誓い」に断固として触れないことといい、安倍首相の言う「平和」のなんと空虚なことか。

 民主主義の軽視は沖縄でも行われている。安倍首相はいま長期の夏休み途中。今年は内閣改造を前に「心静かに」過ごしているのだというが、辺野古の現状を分かったうえで「心静かに」と言っているのなら、その神経を疑う。

 米軍普天間基地の移設先、名護市の辺野古沖合では、沖縄防衛局が14日、突如、埋め立て地域への立ち入り禁止を示すブイを設置。反対住民がカヌーやボートで海上へ出て抗議活動をし、緊張状態が続いている。11月の知事選で現職の仲井真知事が劣勢のため、少しでも埋め立ての既成事実化を図ろうということだが、「ブイの設置を急げ」と防衛省幹部に強く指示したのは首相本人だという。「地元に丁寧に説明」なんてウソっぱち。混乱を招いた張本人が、一方で他人事のように「心静かに」とは開いた口が塞がらない。

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