事業者は困惑…両市場併用で宙に浮いた「千客万来施設」
やっぱり知事の方針は“生煮え”じゃないか。市場移転問題で、小池百合子都知事が示した築地・豊洲の両市場併用案。都議選で大勝したことで“信を得た”つもりだろうが、盲点がある。豊洲市場に建設予定の温泉・商業施設「千客万来施設」が宙に浮いた状態になっているのだ。
豊洲市場が立つ江東区はもともと、豊洲地域に「にぎわい」を生み出し、地域を活性化させる千客万来施設を併設させることを条件に市場の建設を受け入れた経緯がある。
併用案は、築地跡地にレストランやショッピングセンターを併設した「食のテーマパーク」として再開発。豊洲は冷凍・冷蔵設備を整えた「IT物流センター」として活用する。つまり、「にぎわい」が生み出されるのは築地市場で、豊洲市場は“無味乾燥”な物流センターになってしまうわけだ。
それでも都は千客万来施設を予定通り建設するという。千客万来施設の運営事業者「万葉倶楽部」に問い合わせると、担当者は困惑気味にこう話した。